採用・育成・経常利益改善 K'sパートナー株式会社

あえて業績を見ない業績改善

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一貫して皆さんにお伝えしている事の一つが
“顧客との関係性”の重要性です。

今回は“顧客との関係性”の重要性について
クライアントA社の事例をお伝えします。

クライアントA社の社長はとても勉強熱心で、
高度な計数スキルをお持ちの方です。
その高度な計数スキルを活用し、
部門別決算ソフトをご自身で作成され、
会議で活用するなど、
高いレベルの計数管理で黒字経営を続けておられました。

しかしながら、数年前から赤字へ転落し、
回復の糸口が見えなくなったという事で
K’sパートナーに相談に来られました。

数字上の問題や課題については詳細まで分析・把握されており、
私からは特別何も言う事は無い状況であったため、
あとは現場の実態はどのような状況にあるのか、
まずは会議に参加させていただき状況把握を
させていただきました。

会議は、トップダウンに売上アップ対策や
粗利率アップ対策について数字の観点から
目標設定値まで詳細に指示が出されるというものでした。
指示内容はとても理にかなったもので、
数値目標に到達させる事で黒字化は出来ます。

しかしながら、ここで一つの違和感が生まれます。

それは、顧客の存在が置き去りになっているという事です。
もう少し突っ込んで言うと、
現在取引のある顧客の存在が置き去りになっているという事です。

そこでKsパートナーから提案させていただいた改善内容は
・重要指標を客数(リピート客)とする
・上得意顧客へのヒアリングを実施する
・顧客からの要望に関する対応を会議の主題とする
の3点です。
つまり内部事情や計数に焦点を絞るのではなく、
顧客に焦点を絞る改善です。

そもそもクライアントA社が赤字に転落した
最大の要因は売上高の減少で、
売上高減少の要因は客数の減少でした。
そのため、打ち出されていた対策は新しい顧客の獲得です。

~新規顧客の獲得に努めているが、赤字脱却が図れない~

多額のコストを投じている事もあって、
新規顧客獲得数は相応にありましたが、
それでも売上高の減少・顧客の減少が止まらないのは
既存顧客がクライアントA社から離れ続けているからです。

そう考えると、クライアントA社が今やるべき事は
顧客との良好な関係性を作り
新規顧客獲得数が客数として純増する状態にする事なのです。

これは多少時間を要する取り組みでもあり、
クライアントA社のように月次だけで成果を見続けると
数カ月は赤字幅が埋まる事はあっても、
即黒字化は難しいかもしれません。

これまでには無い取り組みでもあるため、
K’sパートナーも関わりながら、
業績を改善させるため、
あえて、一旦業績から離れ、
徹底的に顧客に目を向ける改善に着手しました。

結果は、顧客の離脱が減り、客数アップ・売上アップを達成し、
黒字化を果たしています。

元々の計数管理レベルが高かったからこその
改善法とも言えますが、
業績の悩みを解決するために本来やるべき事は何か?
今一度考察される事をおススメ致します。

投稿者:K'sパートナー株式会社