顧客単価を上げる5つの営業法
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皆さんは客単価を上げる努力を
どのように行っていますか?
客単価を無視して顧客数ばかりを追い掛けても
組織が疲弊するだけです。
会社の売上は、客数×客単価×リピート率で
表すことができます。
もし客単価が低いといくら客数あっても
リピート率が高くても売上に繋がりませんよね?
もっと言えば、取引が始まったばかりの
顧客単価を引き上げる事は至難の業です。
(ですが、不可能ではありません)
今日は客単価のアップに成功した事例を
ご紹介しますね。
(私のクライアントで昨日聞いた最新の事例です)
今回の事例はイベント商品を取り扱う企業の話です。
担当者変更に伴い、どう顧客単価を上げるか
というのが大きなテーマでした。
前任の担当者は顧客との関係は良好と
会社に報告していましたが、実態は
常に低価格を要望され、言われるがままの
状態だったわけです。
これでは顧客との関係が良好とは言えません。
担当者は良好であると考えても、
経営的な指標から考えると
そうでもないことは結構、存在しますよね。
そういった課題を踏まえ、引継ぎ後、
客単価12%UP(前期比較6ヶ月)を
実現した営業担当者の営業アプローチ法を
お伝えしますね。
取り扱う商品を変えずに、実践営業の中で、
どのように客単価をアップさせたポイントは
以下の5つとなります。
(どこの企業でも取入れる事が可能な要素となります。)
①過去の見積もりを踏まえた単価分析
②自社が持つ「他社との違い」を前面に押し出す
③顧客が持つ、「欲しい」ボタンを探し、押し続ける
④サポート・フォロー環境の充実(特別感)
⑤コミュニケーション力の最大化
①過去の見積もりを踏まえた単価分析
まず、この事例の新担当者は見積もり単価を
過去3年間分を分析したのです。
値引き時の相手の要求、
こちらの対応方法等も社内で分析し、
何故、値引きが起こるのか?
顧客は何を求めているか?
を把握するから始めました。
重要な事は単価を引き下げる事になった背景を
詳しく分析し、どうすればこのような状態・関係を
回避できるかをしっかり検討していったのです。
ただ、言われるがまま値引きする事を避ける為に
内部で何ができるかも含め、しっかり社内で
協議をしながら担当者の思い込みを払拭し、
チーム全体で対策を検討したという点を
一番に実行しました。
②自社が持つ「他社との違い」を前面に押し出す
ここはポイントです。
USP(Unique Selling Proposition)を
前面に出すと理解して頂いても構いません。
しっかり他社との違い=サービスの絶対価値を
提示し続ける事で、相手への納得性を高める事に
繋げていきました。
価格以外の判断基準(価値・サービス)を顧客に
伝えてきれていない営業担当者をよく見かけます。
言われた事をそのまま提案し、
価格も言いなりという担当者では弱いです。
しっかり価値を訴求し、他との違いを
はっきり伝えられる。
むしろ他社とのはっきりした違いがあるから、
我が社はいままで顧客獲得できたという実績の
一覧化(顧客名・顧客の声・導入実績)を作成し
営業提案書に随時、盛り込んでいる点も
成果のポイントだったようです。
(新担当者に話を聞いたところ、
多くの実績を持っている担当者であるという事も
相手に伝えたかったようです)
このような対応は相手に安心感を
与えることもできるのです。
③顧客が持つ、「欲しい」ボタンを探し、押し続ける
よく言われる「ホットボタン」を顧客との
会話の中から探し続けるという事ですね。
その為にはポイント⑤にあるコミュニケーションは
必須となってきます。
その為に、この営業担当者は「質問」に
拘っているそうです。
決して商品説明等に時間を掛けず、
相手との対話を引き立てる為の質問を
幾つか用意して商談に望んでいるようです。
その中で、商品導入後の「明るい未来」と
相手が持つ「解消したい困り事」を
しっかり見せながら、
「取得の欲求」:これを買えばこんなに良い事がある
「機会損失の恐怖」:このチャンスは次にはない
という感情を植え付けていくようです。
④サポート・フォロー環境の充実(特別感)
これはどの企業でも強化すべき要素となります。
この企業では一部の顧客には特別対応として
商品在庫管理のサービスを提供しています。
そうする事で、相手の管理業務を
軽減させているのです。
そのメリットを前面に打ち出しつつ、かつ、
無償で提供しているのです。
相手にしてみれば、見積もり単価以上に
サポート・フォローの費用も含まれているので、
断る理由が無いと営業担当者は自信を持っています。
そして、現にその提案は受け入れられているようです。
在庫管理する事で、次の提案タイミングを確実に把握できるメリットをも得ているのです。
⑤コミュニケーション力の最大化
基本中の基本ですが一番難しいですね。
ここの会社の事例で言えば、担当者変更を経て、
まずは、話ができる関係に持ち込む必要があります。
雑談、情報提供等から距離を縮める事に
時間を費やしています。
更に特質すべき点は、お礼の連絡を商談後の
喫茶店等で手書きのハガキにメッセージを
添えて送っているそうです。
更に、後日の情報提供フォローメールも
自動化しており、接触頻度を以前の担当者より
3倍増やしているようです。
(この担当者の最大の強みは顧客との
接触頻度を増やせる行動量と気配りです)
この事例の新担当者はこの5つの要素を
実践に移し客単価を上げ続けているようです。
客単価が12%もアップするのであれば
経営へのインパクトも相当あります。
(単純計算で1年で売上1.5か月分増加)
どこか一つでも皆さんの事業に
転用できるものはないでしょうか?
客単価は会社の生命線です。
自社の価値を示す指標ともいえるでしょう。
そこをまずは見直す、改善するアプローチを
考えていきましょう。
投稿者:加藤 寛之