失敗から学ぶもの
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こんにちは
K’sパートナーの荒木孝仁です。
先日、クライアント企業の社員研修の場で
このような失敗事例がありました。
「ある商品を誤発注してしまい、捌ききれない。
現在仕方なく割引販売を行っているのですが、
なかなか売れなくて困っています。」
これを聞いて私が真っ先に思い出したのは「球根ガチャ」です。
「球根ガチャ」をご存知の方も多いと思いますが、簡単に紹介します。
ある企業で訳ありチューリップの球根を
100球1380円(消費税・送料込み)で販売したところ、
ツイッターで話題となり注文が殺到、
50万球を完売したしたという事例です。
この会社は毎年、オランダからチューリップの球根を
輸入販売しているのですが、
輸送中に荷崩れで異なる品種の球根がごちゃ混ぜになると、
廃棄ロスにせざるを得ないそうです。
ところが、あるとき事故で廃棄ロスが50万球という
膨大な数量になってしまったため、困り果ててしまいました。
一時はボーナスが球根現物支給という状況に
陥りかけたそうなのですが、ある女性社員が
「何が咲くかは分からないチューリップの球根」として
販売してみてはどうかと提案し、ダメもとで販売した所、
TVにも取り上げられ大きな話題になったのです。
非常に面白い事例ですが、話題になったポイントとして
① 困っている現状を荷崩れの写真付きで素直に伝えた事
② 何が出るか分からない「球根ガチャ」というネーミングセンス
③ 多数の反応に対してツイッターで返信を続けた対応の良さ
④ 破格の処分価格で販売した
が挙げられます。
思いがけない反響の良さでメディアにも
取り上げられていました。
この会社の担当者によると、破格の処分価格で販売したため、
損失は出ているものの、販促費だと思えば十分過ぎる程の効果がありました。
とのこと。
毎年このような事故は起こるそうですが、
毎年、球根ガチャを楽しみにしているお客様も出来て、
これからは廃棄ロスにせずに済むのではないでしょうか。
さて、社員研修の場に話を戻すと「~困っています」の発言に対し、
他の社員から
「その商品はうちでは良く売れるんだから、言ってくれれば良かったのに」
「ただ割引するのは勿体無い。他の商品と一緒に販売すれば良いのに」
「本当にその商品が好きな人にまとめて買ってもらう事も出来る」
など多数のアドバイスの声が上がりました。
社員研修の場で学んだ事を実践に移し、実践から更に学ぶため、
毎回、新たなチャレンジ行動計画を立ててもらいますが、
新たなチャレンジであるため、多少計画立案に時間がかかります。
しかしながら、仲間の失敗事例に対してはあっと言う間に
多数のアドバイスの声が上がるのです。
「失敗は成功の母」
「ピンチはチャンス」
失敗を失敗にしない実践や失敗からの学び。
正にこれこそが教育なのだと教えられます。
投稿者:荒木 孝仁