コストを身の丈に合わせる
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こんにちは
K’sパートナーの加藤寛之です。
前回に引き続き、キャッシュフロー改善事例をもとに、
キャッシュフロー改善の基本的な考え方をお伝えします。
今回は、「コストを身の丈に合わせる」ついてです。
事例は前回に引き続き、
競合店の出店攻勢などを背景に売上確保が難しくなり、
赤字を計上するに至り、資金繰りも厳しくなったクライアントです。
今回は、「コストを身の丈に合わせる」というお話です。
当クライアントは、SALE販売の強化により、
利益が減り、人件費が増えた現状をふまえ、
SALE販売の中止をしていただきました。
これにより、
発注業務・商品受入業務・商品陳列業務・
レジ業務他商品販売に関する業務など
SALE強化により増加した業務量が減ります。
もともと儲けがほとんど無い売上づくりの為に人手がかかっていた
訳ですから、業務価値は格段に引き上がります。
しかしながら、競争環境の厳しさから、以前ほどの売上高を
確保する事が出来なくなっている状況ですから、
SALE分の業務縮小・人件費削減では足りません。
更なる人件費削減を行い、人件費を現状に合わせる必要があるのです。
労働生産性を表す指標に
労働分配率という指標があります。
公式は“労働分配率=人件費÷粗利高(%)”です。
概ね50%台が適した値と言われています。
売上高減少に伴い粗利高も減ります。
労働分配率を適正値に整えるには、人件費を調整しなければなりません。
しかしながら、理屈通りに実態を合わせられる企業は少なく、
実行に移せません。
本来、売上が下がったのであれば、
特に小売業の場合、SALE強化で増加する業務量の逆説ですから
業務量も減ります。
しかしながら、一つ一つの業務量の変化が微小であるため、
具体的に、労働時間の短縮に結びつける事がなかなか出来ないのです。
当クライアントでは、事業計画上の数値予算達成に向けて
人件費を作業時間に落とし込み、
作業時間遵守の為の行動計画として、
人員配置の見直し・業務段取りの見直しなど
あらゆる面で、
現環境において確保可能な売上高予算に応じた
業務量を基準に見直しを行いました。
今までやってきた業務ルーティンを
これからの業務ルーティンに変更するのは簡単ではありません。
しかしながら、これを粗利高の現況に応じて実行しなければ
現況における収益改善は出来ません。
当クライアントもそうでしたが、ほとんどの企業において
ここをやらずに、売上アップで収益悪化問題を解決しようとします。
上手くいけばもちろん問題はありません。
しかしながら、先に組織や業務の見直しによるコストダウンをしておけば、
売上アップによる利益増加分が収益化されます。
今回は、人件費のみのお話でしたが、
現状にあったコストに日頃から調整する事は
収益を確保する上でとても重要な取り組みです。
業績が厳しい状況に陥った際には、
現況に見合ったコストはいくらなのか?
そのコストにする為に何が出来るか?
見直してみる事をおススメ致します。
投稿者:加藤 寛之